特定技能「介護」は採用して終わりではない|介護福祉士を目指す外国人材を育てる【2026年度】

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外国人看護人材の採用・キャリア支援をイメージする看護師

特定技能「介護」の外国人を採用した。そこで採用活動が終わるわけではありません。むしろ、そこからが始まりです。日本語を学び、介護現場で経験を積み、実務者研修を修了し、介護福祉士国家試験に挑戦する。そして介護福祉士資格を取得すれば、外国人本人の希望や要件に応じて、在留資格「介護」への変更という長期的なキャリアも見えてきます。特定技能1号「介護」を、数年間の人手不足を補うだけの制度として考えるのか。それとも、将来の介護福祉士を採用し、育てる入口として考えるのか。介護事業者にとって、この違いは大きいと考えます。

1.特定技能1号「介護」には在留期間の上限がある

特定技能1号には、原則として通算5年という在留期間の上限があります。介護分野には特定技能2号がありません。そのため、特定技能1号として介護現場で働き続けるだけでは、原則として在留期間の上限を迎えることになります。一方、介護分野には国家資格である介護福祉士があります。厚生労働省によると、介護福祉士資格を取得した外国人は、一定の要件のもとで在留資格「介護」への移行対象となります。しかもこれは、日本の介護福祉士養成施設を卒業した外国人だけではありません。実務経験を経て介護福祉士資格を取得した外国人も、2020年4月から在留資格「介護」への移行対象となっています。ここが、特定技能「介護」のキャリア形成を考えるうえで非常に重要です。

2.特定技能から介護福祉士を目指すルート

特定技能1号で働く外国人が、実務経験ルートで介護福祉士国家試験を受験する場合、単に3年間働けば受験できるわけではありません。2026年度の介護福祉士国家試験では、実務経験ルートについて、
従業期間3年以上(1,095日以上)

従事日数540日以上

実務者研修の修了

などが受験資格として定められています。社会福祉振興・試験センターも、特定技能1号や技能実習で働く外国人は実務経験ルートになると明記しています。

したがって、採用後のキャリアは大きく、
特定技能1号「介護」で入社

初任者研修を修了

介護現場で実務経験を積む

実務者研修を修了

介護福祉士国家試験を受験

介護福祉士資格を取得

在留資格「介護」への変更を検討という流れになります。重要なのは、5年目になってから介護福祉士について考え始めるのでは遅いということです。入社した段階からキャリアを設計しておく必要があります。

3.なぜ「実務者研修」を早めに考えるのか

介護福祉士国家試験を実務経験ルートで受験する場合、実務経験だけでなく、原則として実務者研修の修了が必要です。そのため、「3年間働いたから国家試験を受けよう」ではなく、実務経験を積んでいる間に、実務者研修も計画的に進める必要があります。外国人職員の場合には、さらに日本語学習があります。日常会話ができることと、国家試験の日本語を理解できることは同じではありません。介護専門用語を理解し、問題文を読み、選択肢の意味を正確に判断する力も必要になります。
つまり介護福祉士を目指すのであれば、
実務経験
+実務者研修
+日本語
+国家試験対策
を並行して進める必要があります。これは外国人本人だけに任せるより、勤務先が早い段階から学習環境を整えた方が進めやすくなります。

4.2026年から介護福祉士国家試験に「パート合格」が導入

2026年の大きな変更の一つが、介護福祉士国家試験のパート合格制度です。第38回介護福祉士国家試験から、試験が複数のパートに分けられ、一定の場合には合格したパートについて翌年度・翌々年度の試験で受験免除を受けられる仕組みが導入されました。社会福祉振興・試験センターは、第39回試験についてもパート合格制度を案内しています。外国人介護人材にとっても重要な変更です。一度の試験ですべてを合格しなければならない仕組みだけではなく、合格した部分を次回につなげられる制度になったからです。

5.特定技能1号の「5年」を最長1年間延長できる場合も

さらに2026年には、介護分野の特定技能外国人にとって重要な措置が始まっています。特定技能1号の通算在留期間5年を迎える外国人が、介護福祉士国家試験で一定の成績を収めるなどの要件を満たした場合、最長1年間、在留期間を延長できる措置です。ただし、「介護福祉士試験を受験すれば自動的に6年間働ける」制度ではありません。例えば第38回試験では、国家試験を全パート受験していること、1パート以上に合格していること、総得点が合格基準点の8割以上であること、翌年度の国家試験を受験する意思があること、などの要件が設けられています。さらに所属する介護事業者側にも重要な役割があります。本人と一緒に、翌年度の国家試験合格に向けた具体的な学習計画を作成し、厚生労働省へ提出することなどが求められます。これは非常に重要な変化です。国の制度自体が、外国人本人だけではなく、勤務先による介護福祉士合格への学習支援を重視する方向になっています。

6.介護福祉士を取得すると在留資格「介護」という道がある

介護福祉士国家資格を取得した外国人には、在留資格「介護」という選択肢があります。厚生労働省によれば、在留資格「介護」は、介護福祉士資格を持つ外国人が、日本国内で介護または介護の指導を行う業務に従事するための在留資格です。ここは特定技能1号との大きな違いです。特定技能1号には原則として通算5年の上限があります。一方、介護福祉士資格を取得して在留資格「介護」へ変更できれば、特定技能1号の5年間という枠とは異なる在留資格で、日本の介護現場でキャリアを継続できます。だからこそ、特定技能で何人採用したかだけをKPIにするのではなく、その中から何人が介護福祉士を目指しているかという視点も重要になります。

7.事業者が「介護福祉士まで育てる」意味

外国人職員が介護福祉士を目指すことは、本人だけのメリットではありません。介護事業者にとっても、
日本語能力の向上
介護知識・技術の向上
長期的な就労への意識
外国人職員のキャリア形成
将来の中核人材の育成につながる可能性があります。特定技能外国人を毎回「5年間働く人材」として採用するのか。それとも、「将来の介護福祉士候補」を採用するのか。採用時点の考え方によって、その後の教育方法も変わります。

8.採用面接でも「5年後」を確認する

外国人介護人材の面接では、現在の日本語能力や介護経験だけを見るのではなく、将来についても確認しておくことが重要です。
例えば、
「介護福祉士を目指したいですか」
「日本で長く介護の仕事を続けたいですか」
「実務者研修を受講する意思がありますか」
「日本語をどこまで伸ばしたいですか」
といった点です。介護福祉士を目指したい人と、一定期間だけ日本で働きたい人では、本人のキャリアプランが違います。どちらが良い・悪いという話ではありません。採用する事業者と本人の将来像が合っていることが重要です。

3年間で考える外国人介護人材の育成

外国人介護人材を採用するなら、最初から育成計画を作っておく方法があります。
1年目
日本語・介護現場への適応
介護記録・専門用語の習得
本人のキャリア希望を確認

2年目
日本語・介護能力をさらに向上
実務者研修の受講を具体化
介護福祉士国家試験を意識した学習開始

3年目
実務経験要件を確認
実務者研修を修了
介護福祉士国家試験へ向けた本格的な対策

そして受験資格を満たした段階で国家試験に挑戦する。この流れを採用時から本人と共有できれば、特定技能1号の5年間を単なる在留期間ではなく、介護職としてのキャリア形成期間として使えます。

第2回で紹介した助成金・補助金ともつながる

前回の記事では、東京都を中心に、
人材紹介
宿舎・家賃
日本語・介護教育
資格取得
などに利用を検討できる助成金・補助金を紹介しました。今回の「介護福祉士まで育てる」という考え方と、公的支援制度は別々の話ではありません。

採用する

住居を整える

日本語・介護を学ぶ

実務者研修

介護福祉士国家試験

長期定着

ここまでを一つの人材戦略として考えることができます。

外国人介護人材を「5年間の人材」にしない

特定技能1号「介護」には、原則として5年という在留期間の上限があります。しかし、外国人介護人材のキャリアまで5年で終わるとは限りません。介護現場で経験を積み、日本語を学び、実務者研修を修了し、介護福祉士資格を取得する。そして条件を満たせば、在留資格「介護」へ進む道があります。だからこそ、採用時に見るべきなのは、「今、働ける人か」だけではありません。「3年後、5年後にどのような介護職員になりたい人なのか」そこまで確認して採用することが、外国人介護人材の長期定着につながります。

特定技能「介護」の採用・育成をご相談ください

虎ノ門商事では、外国人介護人材の採用を支援しています。国内在住の特定技能人材、これから介護分野を目指す外国人材などについて、現在の資格や日本語能力だけでなく、介護福祉士を目指す意思や将来のキャリアも確認しながら採用を進めます。採用して終わりではなく、介護福祉士まで育てる。外国人介護人材を長期的な戦力として採用したい介護事業者様は、ご相談ください。

※本記事は2026年9月24日時点で厚生労働省、出入国在留管理庁、公益財団法人社会福祉振興・試験センターが公表している情報を確認して作成しています。個別の在留資格変更や国家試験の受験資格については、本人の経歴・実務経験等によって異なるため、最新の公的情報をご確認ください。

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