外国人介護人材の採用・育成に使える助成金・補助金|家賃・人材紹介・日本語教育・資格取得【2026年度】

特定技能

外国人介護人材の採用・育成と定着支援

外国人介護人材を採用するとき、介護事業者が負担するのは人材紹介料だけではありません。海外から採用する場合には住居の確保が必要になり、入社後には日本語教育や介護教育も必要です。さらに、長く介護現場で働いてもらうためには、実務経験を積み、介護福祉士を目指せる環境を整えることも重要になります。一方、東京都には、こうした外国人介護人材の採用・住居・教育・資格取得・定着を支援する複数の制度があります。重要なのは、「外国人を雇用すれば自動的に補助金がもらえる」という制度ではないことです。対象となる事業者、外国人材、対象経費、申請時期などは制度ごとに異なります。
この記事では、2026年度に確認できる東京都と国の制度を中心に、介護事業者が外国人介護人材を採用するときに確認しておきたい支援策を紹介します。

1.外国人介護人材の「人材紹介料」を支援する制度

最初に発生する可能性があるのが採用費です。東京都では、特定技能外国人または一定の留学生を雇用するため、登録支援機関や職業紹介事業者などの受入れ調整機関を利用した場合、受入れ調整機関に支払う人材紹介料の一部を補助する制度を実施しています。つまり、外国人介護人材を採用するときには、「紹介会社にいくら支払うか」だけではなく、「その紹介費用に利用できる補助制度があるか」まで確認することが重要です。東京都は2026年度についても、この受入れ調整機関活用経費補助金を案内しています。

2.採用後の大きな問題「住居」にも支援制度がある

外国人介護人材の採用で見落とせないのが住居費です。特に海外から来日する人材の場合、勤務開始に合わせて住居を確保しなければなりません。東京都では、介護職員の確保・定着を目的として、「東京都介護職員宿舎借り上げ支援事業」を実施しています。介護事業者が職員のために宿舎を借り上げた場合、その費用の一部を助成する制度です。2026年度の交付要綱では、1戸当たり月額82,000円が助成基準額とされています。対象経費には、賃料だけでなく、共益費(管理費)、礼金、更新料等も含まれます。助成率は事業所の区分によって異なり、7/8または1/2です。したがって月額82,000円を基準に単純計算すると、
7/8の場合:最大71,750円相当
1/2の場合:最大41,000円相当
となります。さらに2026年度の東京都事業資料では、通常は事業所の利用定員に応じて助成戸数に上限がありますが、外国人については上限戸数に達した場合でも枠外で助成できる仕組みが示されています。外国人介護人材の採用では、これは非常に重要なポイントです。ただし、東京都が外国人本人に直接「家賃」を支給する制度ではありません。介護事業者が宿舎を借り上げ、その費用について助成を受ける制度です。採用コストを考える際には、人材紹介料だけではなく、住居確保まで含めて計算する必要があります。

3.特定技能介護人材の日本語・介護学習にも補助

外国人介護人材は、採用すればすぐに教育が終わるわけではありません。
介護現場では、利用者との会話・介護記録・申し送り・介護専門用語・事故・緊急時のコミュニケーションなど、実務で使う日本語能力が必要です。
東京都では、特定技能外国人を受け入れる施設が、日本語学習や介護分野の専門知識の学習等に必要な経費を負担した場合、経費の一部を補助する「特定技能制度に基づく外国人介護従事者の受入れ支援事業」を2026年度も実施しています。2026年度の申請についても、東京都福祉保健財団が正式に案内しています。採用時の日本語レベルだけを見るのではなく、入社後に日本語力・介護知識をどのように伸ばすかまで採用計画に入れておくことが重要です。

4.初任者研修・実務者研修を働きながら取得する仕組み

外国人に限らず、介護人材を増やすためには「すでに資格を持っている人」だけを採用対象にする方法には限界があります。東京都では、介護業界への就業を希望する人を対象として、介護施設等で働きながら資格取得を目指す介護職員就業促進事業を実施しています。2026年度も実施されており、対象者は最長6か月の有期雇用契約を結び、その期間中に介護職員初任者研修等の資格取得を目指します。研修受講料は無料で、勤務時間内の研修受講中も給与が支払われます。ここで重要なのは、「資格を持つ人を探す」だけでなく、「採用して資格取得を支援する」という考え方です。ただし、この事業には対象者・対象施設・雇用形態等の条件があります。外国人だから自動的に対象になる制度ではありません。

5.介護福祉士を目指す資格取得支援も確認する

外国人介護人材のキャリアを考える場合、重要になるのが介護福祉士です。東京都では、介護職員の資格取得に関する支援制度も実施しています。東京都が公表している外国人介護従事者活躍支援の資料でも、介護福祉士資格取得に必要な費用を対象とした資格取得支援が、外国人介護人材の育成策の一つとして整理されています。特定技能1号「介護」を単なる人手不足対策として考えるのではなく、特定技能 → 実務経験 → 資格取得 → 介護福祉士というキャリア形成まで考えることが、長期的な人材定着につながります。

6.留学生を将来の介護人材として育てる支援もある

第1回の記事で紹介したように、外国人介護人材は海外から採用する人だけではありません。日本国内で学んでいる留学生も、将来の介護人材になり得ます。東京都では、外国人介護人材の確保策として、介護福祉士養成施設等で学ぶ一定の留学生に対する学費・居住費等の支援も行っています。東京都の支援策では、留学生に対する学費、居住費、入学準備金、就職準備金、国家試験受験対策費などが支援対象として整理されています。
これは、
留学生を採用する

介護を学ぶ

介護施設で働く

介護福祉士を目指す
という、中長期の人材育成モデルです。「今すぐ紹介できる外国人」を探すだけでなく、数年後の介護人材を育てるという採用方法も考えられます。

7.国の「人材開発支援助成金」も確認する

東京都独自の制度だけではありません。厚生労働省には人材開発支援助成金があります。2026年度の「人材育成支援コース」では、事業主が雇用する被保険者に対して、職務に関連する知識・技能を習得させるための訓練等を実施した場合、訓練経費や訓練期間中の賃金の一部を助成します。これは外国人専用の制度ではありません。そのため、「特定技能外国人だから対象になる」というものではなく、事業主、対象労働者、訓練内容、訓練時間などの支給要件を個別に確認する必要があります。また厚生労働省は、計画届を提出した時点に対応する支給要領を確認するよう案内しています。2026年度中にも制度改正が行われています。研修を開始してから助成金を探すのではなく、研修を計画する段階で対象になるか確認することが重要です。

外国人介護人材の採用費は「紹介料」だけではない

ここまでを見ると、外国人介護人材の採用コストには複数の段階があることが分かります。
採用
人材紹介・採用手続

住居
宿舎・家賃・入居準備

教育
日本語・介護知識

資格
初任者研修・実務者研修・介護福祉士

定着
長期的なキャリア形成

東京都には、それぞれの段階で利用を検討できる支援制度があります。したがって介護事業者が外国人採用を検討するときは、単純に「外国人1名を採用する紹介料はいくらか」だけで比較するのではなく、「採用から定着まで、総額でどのくらい必要なのか。そのうち、どの費用に公的支援を利用できるのか」まで確認する方が現実的です。

「採用して終わり」ではなく、介護福祉士まで考える

外国人介護人材の採用で重要なのは、入社そのものをゴールにしないことです。

日本語を学ぶ。
介護技術を身につける。
実務経験を積む。
必要な研修を受ける。
介護福祉士を目指す。
そして長く日本の介護現場で働く。その過程を事業者が支援することで、外国人本人にとっても、介護事業者にとっても、採用の意味が大きくなります。

公的支援制度は「安く外国人を採用するための制度」ではありません。人材を採用し、育成し、定着させるために必要な費用の一部を支援する制度として考えることが重要です。

特定技能「介護」の採用・育成についてご相談ください

虎ノ門商事では、介護事業者の外国人材採用を支援しています。海外からの採用だけでなく、日本国内に在住する特定技能人材や、これから介護分野を目指す外国人材についても、採用条件に合わせて検討します。

外国人介護人材の採用では、
人材紹介
住居確保
在留・支援体制
日本語教育
介護教育
資格取得
介護福祉士へのキャリア形成
までを一つの流れとして考えることが重要です。
「特定技能介護を採用したい」
「国内在住の外国人介護人材を探したい」
「海外から介護人材を採用したい」
「採用費や住居費、教育費を含めて検討したい」という介護事業者様は、お問い合わせください。


※2026年9月21日時点の情報です。
補助金・助成金は、対象事業者、対象職員、対象経費、申請時期、予算、併給の可否などによって利用できない場合があります。また、年度途中で受付終了・制度変更となる場合があります。申請前に東京都、東京都福祉保健財団、厚生労働省等の最新の要綱をご確認ください。

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