特定技能外国人を雇用する企業からよくある質問の一つに、「登録支援機関は入管提出書類を作成できるのか?」というものがあります。インターネット上では「登録支援機関は書類作成できない」という説明も見られますが、これは必ずしも正確ではありません。実務では、登録支援機関が受入れ企業(特定技能所属機関)から支援業務を委託されている場合、入管提出書類の準備や作成補助を行うことは一般的に行われています。ただし、そこには行政書士法との関係や責任の所在など、いくつかの重要なルールがあります。
登録支援機関が行う書類作成の実務
登録支援機関は、特定技能外国人の支援計画を実施する機関として、受入れ企業から支援業務を委託されます。その業務の中で、以下のような書類の準備や作成補助を行うことが多くあります。
- 特定技能外国人支援計画書
- 入管提出書類の準備
- 各種届出書類
- 在留資格に関する関連書類
実務上、これらの書類の作成作業を登録支援機関がサポートするケースは一般的です。ただし、書類の最終的な名義は受入れ企業(特定技能所属機関)となります。
書類の責任と署名
入管提出書類の最終的な責任は、受入れ企業が負うことになります。そのため、書類への署名や押印は原則として企業の責任者が行います。登録支援機関は書類作成をサポートする立場であり、企業の印鑑を代わりに使用することはできません。
申請取次制度について
入管への申請手続きでは「申請取次制度」が利用される場合があります。一定の研修を受けた申請取次者であれば、外国人本人や企業に代わって入管窓口へ書類を提出することができます。
取次資格がない場合は、以下の方法で申請することになります。
- 企業担当者が入管へ提出
- 郵送による提出
行政書士との違い
行政書士は法律上、以下の業務を行うことができます。
- 官公署に提出する書類の作成
- 入管申請の代理
- 在留資格申請の専門業務
つまり、行政書士は入管申請を専門業務として受託できる資格者です。一方、登録支援機関は特定技能外国人の生活支援を行う機関であり、書類作成は支援業務の付随業務として行われることが一般的です。
なぜ「登録支援機関は書類作成できない」と言われるのか
このような説明がされる理由として、行政書士法との関係が挙げられます。行政書士法では、報酬を得て他人の依頼を受け、官公署に提出する書類を作成する業務は、原則として行政書士の独占業務とされています。そのため、登録支援機関が書類作成のみを独立した業務として有償で受託することは問題となる可能性があります。しかし、支援業務の委託契約の範囲内で書類準備を行うことは、実務上広く行われています。
まとめ
登録支援機関は、受入れ企業から支援業務を委託されている範囲内であれば、入管提出書類の準備や作成補助を行うことができます。特に特定技能制度では、支援計画書や関連書類の作成サポートは登録支援機関の重要な業務の一つとなっています。ただし、書類の最終責任は受入れ企業が負うこと、そして行政書士法との関係を理解して業務を行うことが重要です。

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