日本語学校選びで確認したい4つの区分

日本留学

日本語学校で学ぶ留学生がグループで学習している様子

「告示校」「適正校」「クラスⅠ・Ⅱ」「認定日本語教育機関」とは?【2026年版】

日本への留学を考えて日本語学校を探していると、「告示校」「適正校」「クラスⅠ」「クラスⅡ」「認定日本語教育機関」という言葉を目にすることがあります。これらは似ているように見えますが、同じ制度ではありません。特に2024年4月から「認定日本語教育機関」という新しい制度が始まり、日本語学校を取り巻く制度は大きく変わり始めています。留学生本人はもちろん、海外の留学エージェントや日本語学校の関係者にとっても、学校を選ぶ際にそれぞれの違いを理解しておくことが重要です。

この記事では、2026年8月時点の制度をもとに整理します。


1.「告示日本語教育機関」とは?

一般に「告示校」と呼ばれているのは、法務省の告示に基づき、在留資格「留学」で外国人を受け入れて日本語教育を行うことができる日本語教育機関です。出入国在留管理庁は現在も「告示された日本語教育機関等」の一覧を公表しており、2026年8月7日現在の一覧も掲載されています。したがって、日本語学校への留学を考える際には、まずその学校がどの制度に基づいて留学生を受け入れているのかを確認する必要があります。ただし、ここで重要なのは、「告示校だから適正校」という意味ではないということです。

告示校であることと、後述する「適正校」の選定は別の仕組みです。

2.「適正校」とは?

出入国在留管理庁では、留学生を受け入れる教育機関について、在籍管理の状況などを確認し、一定の基準を満たす教育機関を「適正校」として選定しています。さらに現在は、適正校について、適正校(クラスⅠ)適正校(クラスⅡ)という2つの区分があります。そして、適正校に選定されていない教育機関もあります。つまり、日本語学校を見る場合、告示校かどうかだけではなく、適正校なのかクラスⅠなのか、クラスⅡなのかまで分けて確認する必要があります。

3.クラスⅠとクラスⅡは何が違う?

出入国在留管理庁は、適正校として選定された教育機関のうち、さらに一定の基準を満たし、「特に在籍管理が適正であると認められる教育機関」を適正校(クラスⅠ)として選定しています。それ以外の適正校がクラスⅡです。クラスⅠに選定された教育機関については、在留資格に関する申請で提出書類がさらに簡素化される取扱いがあります。

現在、出入国在留管理庁の「留学」の申請案内でも、日本語教育機関について、

  • 適正校(クラスⅠ)
  • 適正校(クラスⅡ)
  • 適正校である旨の通知を受けていない機関を分けて必要書類を案内しています。したがって、告示校だからクラスⅠでも、適正校だからすべて同じでもありません。ここは、日本語学校を選ぶ際に意外と分かりにくいポイントです。

4.2024年から始まった「認定日本語教育機関」とは?

ここが今後、最も重要になります。2024年4月1日、「日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律」が施行されました。この法律に基づき、一定の基準を満たす日本語教育機関を文部科学大臣が「認定日本語教育機関」として認定する制度が始まりました。

従来の告示制度が主として出入国在留管理制度との関係で運用されてきたのに対し、認定制度では、

  • 教職員の体制
  • 施設・設備
  • 教育課程
  • 日本語教育を適正かつ確実に実施する体制などについて、文部科学省が審査します。さらに認定は、留学・就労・生活という3つの分野ごとに行われます。

5.つまり「適正校」と「認定日本語教育機関」は別物

ここは特に注意が必要です。適正校は、出入国在留管理庁による在籍管理等を中心とした選定です。一方、認定日本語教育機関は、法律に基づき文部科学大臣が教育機関として認定する制度です。したがって、「適正校=認定日本語教育機関」ではありません。2026年現在は、新制度への移行期間であるため、従来の告示日本語教育機関と、新しい認定日本語教育機関が併存しているという状況です。実際、出入国在留管理庁の現在の「留学」の申請案内でも、「告示日本語教育機関及び認定日本語教育機関」という区分で案内されています。

6.なぜ「2029年」が重要なのか?

現在の日本語学校にとって非常に重要な期限があります。2029年3月31日です。出入国在留管理庁は、現在の法務省告示によって定められている日本語教育機関について、2029年3月31日までに文部科学大臣の認定を受ける必要があると明記しています。さらに、入管のQ&Aでは、2029年3月31日までに認定を受けていない日本語教育機関は、2029年4月以降、在留資格「留学」による外国人を受け入れることができなくなると説明されています。

これは、日本語学校業界にとってかなり大きな制度変更です。

7.認定審査は簡単ではない

実際の認定状況を見ると、新制度への移行が簡単ではないことも分かります。文部科学省の公表資料では、令和6年度の認定では、申請120機関、認定41機関でした。続く令和7年度第1回では、申請74機関、認定23機関でした。さらに令和7年度第2回では、申請100機関、認定32機関、不認定2機関、継続審査13機関、取下げ53機関となっています。ここで注意したいのは、単純に「認定率が約3割」とだけ見ることです。

例えば令和7年度第2回は、100機関中53機関が審査中に申請を取り下げています。そのため、「日本語学校の7割が審査に落ちた」という理解は正確ではありません。

認定・不認定・継続審査・取下げを分けて見る必要があります。

8.2026年8月時点では認定校はどのくらいある?

文部科学省の「日本語教育機関認定法ポータル」では、認定日本語教育機関を検索できるようになっています。2026年8月時点で同ポータルには、全96機関が掲載されています。一方で、2029年3月までは、従来の法務省告示日本語教育機関も、経過措置により留学生を受け入れることが認められています。つまり、現時点で、「認定日本語教育機関ではない=留学生を受け入れられない」という意味ではありません。

2029年3月までの移行期間があるからです。

9.留学生が日本語学校を選ぶとき、何を確認すればいい?

2026年現在、学校名だけを見て判断するのでは不十分です。私たちは、少なくとも次の4点を確認することをおすすめします。① 告示日本語教育機関か、認定日本語教育機関かまず、どの制度に基づいて留学生を受け入れている学校なのかを確認します。② 適正校か出入国在留管理庁から適正校として選定されているか確認します。③ クラスⅠかクラスⅡか適正校の場合でも、クラスⅠとクラスⅡでは入管への提出書類の取扱いが異なる場合があります。④ 認定日本語教育機関への移行状況特に今後長期間日本語学校を運営していく学校については、2029年に向けた認定制度への対応状況も確認する価値があります。

10.「認定校だから良い学校」と単純には決められない

制度上の認定や適正校の区分は、日本語学校を選ぶ際の重要な判断材料です。しかし、クラスⅠだから自分に合う学校認定校だから必ず良い学校と単純に判断することもおすすめできません。

実際の学校選びでは、

  • 進学実績
  • 大学・専門学校への進学指導
  • 日本語能力試験対策
  • 学費
  • 所在地
  • 留学生への生活支援
  • 国籍構成
  • 卒業後の進路なども確認する必要があります。制度上の評価と、学生本人に合う学校かどうかは別の問題です。

まとめ

2026年現在、日本語学校には複数の制度が並行して存在しています。簡単に整理すると、

告示日本語教育機関
→ 在留資格「留学」で外国人を受け入れるための従来からの制度

適正校(クラスⅠ・Ⅱ)
→ 出入国在留管理庁が在籍管理等を確認して選定する区分

認定日本語教育機関
→ 2024年4月から始まった、文部科学大臣による新しい認定制度です。

そして大きな節目になるのが、2029年3月31日です。

現在の告示日本語教育機関が2029年4月以降も在留資格「留学」の学生を受け入れるためには、原則として2029年3月31日までに文部科学大臣の認定を受ける必要があります。これから日本への留学を考える方や、海外から日本の日本語学校へ学生を紹介する教育機関・エージェントにとって、学校の名前や学費だけでなく、その学校が制度上どの位置にあるのかを確認することが、これまで以上に重要になります。


掲載情報確認日:2026年8月29日

※本記事は、出入国在留管理庁および文部科学省が公表している情報をもとに作成しています。制度・運用は変更される場合がありますので、実際の出願・在留資格申請の際には必ず最新の公式情報をご確認ください。

主な出典

出入国在留管理庁「在留資格『留学』」
出入国在留管理庁「教育機関の選定について」
出入国在留管理庁「日本語教育機関の告示基準に基づく各種報告について」
文部科学省「認定日本語教育機関について」
文部科学省「認定日本語教育機関の認定結果」

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