認定日本語教育機関への移行状況と今後のスケジュール【2026年8月版】
2024年4月、日本語教育機関に関する新しい認定制度が始まりました。制度開始から2年以上が経過し、現在は従来の法務省告示日本語教育機関と、新しい認定日本語教育機関が併存しています。そして、日本語学校関係者にとって大きな節目となるのが、2029年3月31日です。
出入国在留管理庁は、2029年4月以降も在留資格「留学」で外国人を受け入れる日本語教育機関について、2029年3月31日までに文部科学大臣の認定を受ける必要があると案内しています。今回は、2026年8月時点で認定制度がどこまで進んでいるのか、そして今後どのようなスケジュールで移行が進むのかを、文部科学省・出入国在留管理庁の公表情報から整理します。
1.2024年4月から始まった「認定日本語教育機関」
2024年4月1日、日本語教育機関の認定制度がスタートしました。この制度では、一定の要件を満たす日本語教育機関を、文部科学大臣が認定日本語教育機関として認定します。
認定対象となる日本語教育課程は、
- 留学のための課程
- 就労のための課程
- 生活のための課程
に分かれています。一方、現在も従来の法務省告示日本語教育機関は存在しており、2029年3月までは経過措置によって留学生を受け入れることが認められています。したがって、2026年現在は、旧制度から新制度への移行期間と考えるのが分かりやすいでしょう。
2.なぜ「2029年3月31日」が重要なのか
出入国在留管理庁は、現行の法務省告示日本語教育機関について、2029年3月31日までに文部科学大臣の認定を受ける必要があると明記しています。さらに入管のQ&Aでは、2029年3月31日までに認定を受けていない日本語教育機関について、2029年4月以降は在留資格「留学」による外国人の受入れができなくなると説明しています。つまり、2029年は単なる制度上の目安ではありません。
留学生を受け入れる日本語教育機関にとって、制度移行上の明確な期限です。
3.2026年8月現在、認定日本語教育機関は96機関
文部科学省の「日本語教育機関認定法ポータル」では、2026年8月時点で、認定日本語教育機関:全96機関が掲載されています。ただし、この96機関すべてが「留学」課程ではありません。認定制度には、留学・就労・生活の3分野があるため、単純に「96校が従来の日本語学校から移行した」と理解するのは正確ではありません。また、認定制度では新設の教育機関も対象になります。そのため、認定機関数を見る際には、認定機関総数=法務省告示校からの移行数ではないことに注意が必要です。
4.2026年度第1回は230機関が申請
現在進んでいる制度移行を見るうえで、非常に重要なのが2026年度第1回認定申請です。文部科学省によると、申請機関数は、230機関でした。
課程分野別では、
- 留学のための課程:226機関
- 就労のための課程:4機関
- 生活のための課程:2機関
となっています。なお、1機関が複数の課程を申請している場合があるため、課程別の合計と申請機関総数は一致しません。さらに、この230機関のうち、法務省告示機関は161機関です。この数字は重要です。これまで認定制度への移行が進んできましたが、2026年度第1回では161の告示機関が一度に申請しているため、この審査結果は今後の制度移行を見るうえで大きなポイントになります。ただし、申請したから必ず認定されるという意味ではありません。
今後の正式な審査結果を確認する必要があります。
5.次の2026年度第2回もすでに動いている
2026年度第2回の認定申請については、すでに事前相談受付が終了しています。
文部科学省が公表している日程は次のとおりです。
事前相談受付
2026年8月17日~8月21日
事前相談
2026年9月28日~11月13日
本申請
2026年11月16日~11月20日
認定申請を行う場合には、原則として事前相談を受ける必要があります。したがって、2026年8月末現在は、第1回の審査が進む一方、第2回申請に向けた準備も進んでいるという段階です。
6.2027年度第1回の予定も公表済み
文部科学省は、その次となる2027年度第1回についても予定を公表しています。
現時点では、
事前相談受付:2027年2月下旬
事前相談:2027年3月下旬~5月下旬
申請:2027年5月下旬
とされています。つまり、認定制度への移行は一度だけの審査ではなく、複数回の申請機会を通じて継続的に進められています。一方で、2029年3月31日という期限が決まっている以上、学校側にとっては、「まだ時間がある」というより、「どの申請機会で認定を目指すのか」というスケジュール管理が重要になります。
7.認定に伴って注意が必要な変更手続もある
認定制度では、単に申請して認定を受ければ終わりというわけではありません。
出入国在留管理庁は、認定制度との関係で、
- 設置者変更
- 定員変更
などにも注意が必要だと案内しています。特に、文部科学省の認定制度では設置者変更は認められておらず、設置者が変わる場合は新しい設置者が改めて認定を取得する必要があります。また、認定と同時に定員を増やすことはできず、認定後も完成年度まで原則として定員変更ができないとされています。
学校運営や事業計画を考えるうえでは、このような制度上の制約も確認しておく必要があります。
8.「認定校が少ない=問題」と単純には言えない
認定制度については、「認定校がまだ少ない」「申請しても認定されない」「日本語学校が大量に減る」といった見方を目にすることがあります。しかし、2026年8月時点で、そのように単純化するのは適切ではありません。
理由は、現在230機関が2026年度第1回で申請しており、そのうち161機関が法務省告示機関だからです。つまり、現在は認定結果が確定していない大きな申請グループがあります。今後の移行状況を見るには、2026年度第1回の認定結果を確認することが非常に重要です。現時点では、「移行が進んでいない」とも、「問題なく移行できる」とも断定できません。
数字を継続して確認していく必要があります。
9.日本語学校を選ぶ側は何を確認すればいい?
制度移行は、日本語学校の運営側だけの問題ではありません。日本への留学を考えている学生や海外の教育機関・留学エージェントにとっても、学校選びの際に制度上の位置付けを確認することは重要です。ただし、認定日本語教育機関だから良い学校あるいは、現時点で認定されていないから問題がある学校と単純に評価するものではありません。2029年3月までは、法務省告示日本語教育機関も経過措置によって留学生を受け入れることができます。
学校選びでは、制度上の区分だけでなく、
- 教育内容
- 進学指導
- 学費
- 所在地
- 学生支援
- 卒業後の進路
- 学校の特色
なども含めて総合的に確認することが重要です。
10.2026年後半の注目点は「第1回の認定結果」
2026年後半に最も注目したいのは、2026年度第1回認定申請230機関の審査結果です。そのうち161機関が法務省告示機関であるため、結果によっては、2029年に向けた制度移行の状況が大きく変わる可能性があります。同時に、2026年度第2回申請も秋から本格化します。したがって、今後は、認定機関の累計数だけを見るのではなく、申請数・認定数・告示機関からの申請数を継続して確認することが重要です。
まとめ
2024年4月に始まった認定日本語教育機関制度は、2026年現在、本格的な移行期に入っています。現在、文部科学省のポータルには96の認定日本語教育機関が掲載されています。一方、2026年度第1回には230機関が認定申請を行い、そのうち161機関が法務省告示機関です。そして、現在の告示日本語教育機関が2029年4月以降も在留資格「留学」の学生を受け入れるためには、2029年3月31日までに文部科学大臣の認定を受ける必要があります。2026年8月現在は、「何校が残るのか」を予測する時期ではなく、制度移行がどのように進んでいるのかを数字で確認する時期と考えるのが適切でしょう。
今後、2026年度第1回の認定結果が公表されれば、2029年に向けた現在地がさらに明確になります。
情報確認日:2026年8月29日
※本記事は、文部科学省および出入国在留管理庁が公表する情報をもとに、日本語教育機関に関する制度上の動きを整理したものです。制度・日程等は変更される場合がありますので、最新情報は必ず各省庁の公式情報をご確認ください。
主な出典
文部科学省「認定日本語教育機関の申請機関数」
文部科学省「認定申請等の手続きに関すること」
文部科学省「日本語教育機関認定法ポータル」
出入国在留管理庁「日本語教育機関に係る各種変更の取扱いについて」
出入国在留管理庁「2029年4月以降の留学生受入れに関するQ&A」
この原稿なら、批判記事ではなく「一次資料を整理した実務記事」として出せます。特に「161機関が審査中」という現在進行形の数字が、2026年8月末の記事としての鮮度になります。